「はは、俺の心配せずに自分の心配しなよ」
なんて言って、また笑ってる。
なによ、私がヤキモチ妬いてるのが丸見えみたいじゃない。
そう思って隣に目をやると、
おじさんたちが私の周りを囲むように、下心がありますと顔に書いてる表情でいて、
一瞬で怖くなって皐月の袖を思わず握れば、
「雫」
そう耳元で囁いて、
「可愛いの自覚しろよ…」
ドキンッと胸に響いた。
そう囁いた皐月の顔があまりにも近くて、
色気がただただすごくて………間違いなく今の私は頬は真っ赤だと思う。
そんな君は、あれからは普通にいつもと変わらずからかってきては、冗談を言って、先ほどのことが幻だと言わんばかりだったけど、私はこのことを今でも思い出してしまうほど、覚えている。
それほど、私にとっては何よりも嬉しかったんだ。