「はいはい、杏花の負けず嫌いなとこ、昔から変わってないねー」



ボールを持ち立ち並ぶピンに向かって投げようとすると、後ろからひょいっとボールを取られて綺麗なストライクを決められた。


驚いて振り返ると、そこにいたのは今まで以上に不機嫌な顔をした天峰くんが。



「あ、天峰くん!」


「俺のこと置いて行って、随分と楽しそうじゃねぇか」


「あ、いや、あのね?えっとこれは…」


「えーなに。いいとこだったのに、着いてきちゃったの?杏花は今、俺とデートしてんのにー」



私と天峰くんの間に割り込むようにして入ってきた瞬くんが、にこっと天峰くんに向かって微笑んだ。



「どうも初めまして。杏花のことは誰よりもよく知ってる幼なじみ、富田瞬です」


「…俺は、こいつの彼氏だ」



天峰くんが手を伸ばすとぐいっと腕を引っ張ってきて、その広い胸に顔面をぶつける。