「……そういえばさ」
「うん?」
「今日柳楽と何話してたの?」


 急に聞かれてびっくりした。私は廊下側の端っこで蓮樹はちょうどど真ん中の席なのに、見てたんだ。


「柳楽くんに漫画借りたの!」
「漫画?」
「うん、これなんだけど蓮樹知ってる?」
「いや知らねえ……」
「そっか。柳楽くんのおすすめで面白そうだから貸してくれたんだ。早く読みたいなぁ」
「……柳楽と仲良いの?」
「隣の席だから話すようになっただけだよ」


 蓮樹もきょんちゃんと同じこと聞くんだなぁ。
 日頃私がいかに男子と話さないのかよくわかる。

 だってこんな風に気兼ねなく話せるの、蓮樹だけだもんね。


「柳楽くん、お姉さんがいて少女漫画も読むんだって」
「俺だって読むよ」
「あ、そうか。柳楽くんはすごく意外だなぁって思ったんだよね。あれはすごく良かったって真面目に言ってて、何だかギャップだなぁって思って」
「やっぱり仲良くね?」
「そうかな?じゃあ仲良いのかも!」