顔を真っ赤にして、マイクを押しつけられちゃった。

「わ、私も、めちゃくちゃ下手だから!本当に期待しないでね?」

好きな曲を流して、心臓がバクバクだ。緊張して恥ずかしくて。だけど、すごく楽しいの。

「歌うのって、難しい…。音程合わせられないし、無理!」

歌ってる途中で恥ずかしさはマックスになって、演奏中止ボタンを押した。

「いいじゃないの♪楽しいんだから。」

私の下手な歌を聴いても、勇里さんは楽しそうに笑ってくれた。

「…本当?」

「えぇ本当よ。楽しくなきゃ一緒に居ないもの。」

暗いやつ。そう言われ続けてきたから、勇里さんの言葉がすごく嬉しくて泣いてしまった。