食べながら、何歌おうかって話になって、私は人前で歌うとか恥ずかしくて無理。なので、マイクを勇里さんに渡した。

「勇里さんの歌が聴きたくて此処にいるの。だから、お願いっ!」

「アタシ音痴だけど…覚悟してたほうがいいわよ?」

絶対上手だろうなぁ。音痴とか言って、実際すごく音痴なのは私だ。

曲が流れて、マイクを握り締め息を吸い込む。そして…。

♪〜

画面には歌詞が表示されて、勇里さんは楽しそうに歌う。

音程はかなり外れてて、それでも声があまりにも綺麗でずっと聴いていたい。

「…なんか、照れるわね。人前で歌うって。はい、次は海果ちゃんの番よ。アタシばかり恥ずかしいなんてフェアじゃないわ。」