「カラオケって、こうなってるんだね!メニューもいっぱいだ。」

テーブルに置かれたメニュー表に目が輝く。

「何食べる?好きなもの選んでいいわよ♡全部アタシの奢り。」

「えっ?でも。私に奢らせて。助けてくれたお礼したいから。」

「いいのよ。一緒に楽しく過ごせればそれだけで。それに、高校生に払わせたりしないわよ。」

そう言って、勇里さんは黒いバッグを椅子の上に置くと、隣へおいでと言うみたいに、椅子をポンポンと優しく叩いた。

私は隣に腰を下ろして、メニュー表をガン見。

「じゃあ、お言葉に甘えて…。」

「どんどん甘えてちょうだい。そのほうがアタシは嬉しいわ。」