グッと、男の人の腕を強く掴むのは勇里さんだった。

「あ?オカマ?キモいのはてめぇだろ。離せや。俺は今かわい子ちゃんと話してんだよ。」

「キモいのはどっちよ。この子はアタシの友達よ。離しなさい。」

男は痛みに顔を歪めた。

「…い、いでででで!んだよ、てめぇ!腕!まじで折れるから!やめろって!」

「折られたくないなら、早く立ち去る事ね。」

「…こんの!馬鹿力が!オカマがかわい子ちゃんと友達?まじあり得ね。もういいわ。」

勇里さんが手を離すと、男はささっと立ち去った。

「大丈夫?怪我とかしてない?」

いつだって、勇里さんは私の味方だ。