アルバムにある思い出たちは消した。でも、たった1枚だけ消せなくて。

それは、眠ってるあなたの横顔。綺麗すぎて目の保養にしてた。でも消さなくちゃ。分かっていても、削除が押せないの。

「…勇一さん。」

寝る前、毛布にくるまりながら、ケータイをぎゅっと握りしめ、あなたの名前を呟いた。

全てを許して受け入れたなら、今でもあなたは私の傍で笑ってくれた?

復讐をやめたあなたを信じていたら…。

でも、未だに分からないのは、最後に会ったあの日、あなたが私に言った言葉。"失いたくない"って。あの気持ちは、本物だった?

もしかしたらあれも嘘だったんじゃないかって、疑う自分も居るの…。