カランカランと乾いた音がなる。

俺の隣で心配そうな顔をしているさの。



「いいよ、俺は大丈夫だから、ときくんのとこ行ってあげて」

「う、うん。ごめんね、陽翔」

「うん」



さのは申し訳なさそうな顔をしたまま、店内を去った。

俺はため息をはく。

そして、さのと付き合ったあの日のことを思い出していた。