事前にいくらか提案していて、その中のひとつが本会議でも通ったのでさっそくデザインを開始している。

パソコンを立ち上げて昨日まで進めたところを確認する。
もう少しだけ微調整が必要みたいだ。

仕事を始めるとすぐに熱中してまわりのことなどどうでもよくなるのが幸のいいところだった。
朝から不愉快な目にあったとしても、それも頭の中から消えていく。

誰にも話しかけられることもなく、誰かにお茶を淹れてもらうようなこともなく、時間だけが過ぎていく。
ふと気がついて時間を確認してみると、あっという間に朝の2時間が過ぎていた。

幸は椅子に座ったまま大きく伸びをして席を立った。
あまり根詰めてやるとこれから先の業務がしんどい。

気分転換するために給湯室へと向かう。
その姿と朋香と和美のふたりが笑い合って見ていたのだった。