☆☆☆

どうせ自分がなにを言っても誰も話を聞いてくれない。
そう悟ったのは小学校5年生のころだった。

今までは男とか女とか関係なく過ごしてきたけれど、このくらいになるとなんとなく異のことを気にし始める。

誰々が好き。
誰々がカッコイイ。

幸もなんとなくその話に参加して、なんとなくカッコイイなぁと思っている子の名前を出したりしていた。

だけどある日の放課後のことだった。
幸が忘れ物を取りに1人で教室へ戻ったとき、中のいいA子がまだ教室に残っていた。

そこには幸がカッコイイと思っていたB男も一緒だったのだ。