☆☆☆

ほらね。
私の言うことなんて誰も聞いてくれない。

幸はトイレの鏡の前で自分の顔を見つめていた。
大きな顔。

ゴマみたいに小さなめ。
ダサイメガネに、吹き出物だらけの顔。

自分で見ていたって嫌になる。
でも、じゃあどうしろっていうの?

あのふたりみたいにキレイになったらみんなからの評価も変わるの?
それなら、私みたいな容姿の人はどうやって生きていけっていうの……?

グッと拳を握りしめる。
もうこんな会社やめてやる。

そうは思ってもどうせ行動には移せない。