「きっと佐藤さんが自分で間違えてデータ消しちゃったんですよ」
「私もそう思いまぁす。後輩のせいにしないでよね」

フンッと鼻をはらずふたりに幸は唖然としたまま何も言い返せない。
人の2時間を無にしておいて本気で言っているんだろうか。

「そういうことだそうだ。以後、気をつけるように」

部長は幸へ向けてそれだけ言うと、もう解決したことのように自分のデスクへと戻って行ったのだった。