「クルルッ! クルルルルッ!」
「どうしたの? 後ろでなにかあったの?」
しきりに警戒音を鳴らす彼に続きメルも窓の外を見ると、遠くにごくごく小さくだが、人――いや、騎乗する兵士たちの姿が見えた。
「ラルドリス様! あれはもしかして……」
「――っ! アルクリフ王国兵!!」
彼はすぐさまシーベルに大きな声で叫んだ。
「シーベル、後ろだ! すぐ後ろにいるッ! 速度を上げろ!」
「嫌な予感が当たりましたね……!」
ラルドリスと共にメルが御者台の方へ寄ると、彼は苦みばしった言葉を吐いて鞭を振るう。馬の速度が目に見えて上がるが、しかしこちらは馬車で、向こうは人を乗せているだけ。追いかけっこは断然向こうの方が有利だ。
「どうしたの? 後ろでなにかあったの?」
しきりに警戒音を鳴らす彼に続きメルも窓の外を見ると、遠くにごくごく小さくだが、人――いや、騎乗する兵士たちの姿が見えた。
「ラルドリス様! あれはもしかして……」
「――っ! アルクリフ王国兵!!」
彼はすぐさまシーベルに大きな声で叫んだ。
「シーベル、後ろだ! すぐ後ろにいるッ! 速度を上げろ!」
「嫌な予感が当たりましたね……!」
ラルドリスと共にメルが御者台の方へ寄ると、彼は苦みばしった言葉を吐いて鞭を振るう。馬の速度が目に見えて上がるが、しかしこちらは馬車で、向こうは人を乗せているだけ。追いかけっこは断然向こうの方が有利だ。