そう言葉少なにラルドリスは会話を切り、ティーラが無言で礼をした。その前に彼女の目が一瞬一行を見渡し、メルは心臓が止まるかのような恐怖を覚える。

 その後すぐにラルドリスたちは建物の中へと消えたのだが、扉が閉まっても何故だかメルにはあの姉の冷たい視線が、ずっと背中へ注がれているように感じ、どうにも落ち着かなかった。