「快斗くん、実はもう1つ動画があるの。これは撮影したものの結菜が見せないでって言ったから本当は見せるつもりはなかったの。これを見てしまったら、あなたはもしかしたら、悲しみに押し潰されてしまうかもしれないから」

「それでもいいです。結菜が僕に残してくれた言葉なら僕は全て受け止めます」

「そう、わかったわ」


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「快斗、これを見ているということは私は死んでしまっているのね」

「私ね…快斗のことが好きだったんだよ。ずっと好きだったの。今も変わらずあなたが好き。あなたが私の小学校に転校してきて初めてあった時に、私はあなたに一目惚れしたの。今はあの時の何百倍何千倍何千倍もあなたのことが好き」

「快斗の全てが好きだった。髪の毛も目も鼻も口も耳も首筋も二の腕も太ももも足も全部好きだった。それに話し方も仕草も行動も走る姿も優しさも全部全部好きだった。あなたと親友になって近くであなたを見ていられるだけで本当に幸せだった」

「でも、不思議なもので好きになればなるほど苦しくて切なくて悲しくなった。いつも一緒にいてそばにいるのに満たされなくなっていった。いつしか私はあなたのものになりたいと思った。付き合って結婚して一生一緒にいたいと思うようになった。」

「何度告白しようとしたかわからない。でも、言ってしまったら今の関係すら続けられないと思うと怖くて言えなかった。逆に言わなければ親友としてずっと一緒にいられると思ったの。そう思ってしまってからは告白するのは諦めて、できる限り1分1秒でも快斗と一緒にいようと思ったの。だから親友でいたし、サッカー部のマネージャーにもなった」

「こんなこと言ったらあなたを苦しめてしまうかもしれない。未来あるあなたに呪いをかけてしまうかもしれない…」

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「結菜、いいから自分の正直な気持ちを言ってみれば。言っていいんだよ。誰もそれを責めることなんて出来ないんだから」

結菜はずっと涙を拭いながら話しをしていた。

時には泣きじゃくるように話していた。

そんな結菜を見た七海さんが、声をかけて励ましている場面があった。


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「快斗、私…死にたくない。死にたくないよ…。ずっと快斗と一緒にいたい。一緒にいて快斗に私を好きになって欲しい。私を愛して欲しい。付き合いたいし、結婚もしたい。2人の子供を沢山産んで幸せな家庭を作りたい」

「快斗、私あなたが好き。全部好き。大大大大大大好きなの。だから…」

「お姉ちゃん、もう動画止めて。こんなの快斗に見せられないよ。恥ずかしい」

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そこで動画は切れた。