体を起こして立ち上がると、昨日よりはだいぶ体調が良くなっているように感じた。
そしてそのままキッチンに向かってみると、既にママは起きていて朝食を作っていた。
壁の時計を見ると6時43分だった。
「ママ、おはよう」
料理をするママの背中に抱きついて、思い切り匂いをかいだ。
うん、今日もママの良い香り。
「あれ?香澄、起きたの?」
「うん」
「体調はどう?」
「昨日よりはだいぶマシ」
「そう、ちょっとおでこ」
ママはそう言うと、私のおでこにママのおでこを押し当ててきた。
「う〜ん、まだ熱があるみたいね。もう一度病院に行って、検査してこなきゃね」
「また行くの?ヤダな〜」
「インフルとかコロナじゃ学校に行っちゃいけないんだから調べなきゃ」
「わかったぁ」
「もう少しで煮込みうどんが出来るから待ってて」
「うん」
夢の中のことを思い出した。
話の苦手なママを思い出した。
「ママ、私の小さい頃は話すのが苦手だったじゃない?」
「そっ‥そうだったわね」
ママは突然の私の質問に動揺しているように見えた。
「いつ苦手だった会話を克服したの?何か特別な訓練でもした?」
「それは…」
ママを困らせるつもりなど全くなく、むしろ何の疑いもなく率直な質問をぶつけただけなのにママはとても困惑した表情をしていた。
「いつから話すのが苦手になったの?」
「ちっ‥小さい頃から…物心がついた時には思いを言葉に出来なかった。病院で診断された結果、吃音症という障がいだとわかったの。周りの人間が思っている以上に大変だったと思う」
「思う?」
「たっ‥大変だったし苦しかった」
ママ自身のことなのに何だか他人事のような言い方だった。
そしてそのままキッチンに向かってみると、既にママは起きていて朝食を作っていた。
壁の時計を見ると6時43分だった。
「ママ、おはよう」
料理をするママの背中に抱きついて、思い切り匂いをかいだ。
うん、今日もママの良い香り。
「あれ?香澄、起きたの?」
「うん」
「体調はどう?」
「昨日よりはだいぶマシ」
「そう、ちょっとおでこ」
ママはそう言うと、私のおでこにママのおでこを押し当ててきた。
「う〜ん、まだ熱があるみたいね。もう一度病院に行って、検査してこなきゃね」
「また行くの?ヤダな〜」
「インフルとかコロナじゃ学校に行っちゃいけないんだから調べなきゃ」
「わかったぁ」
「もう少しで煮込みうどんが出来るから待ってて」
「うん」
夢の中のことを思い出した。
話の苦手なママを思い出した。
「ママ、私の小さい頃は話すのが苦手だったじゃない?」
「そっ‥そうだったわね」
ママは突然の私の質問に動揺しているように見えた。
「いつ苦手だった会話を克服したの?何か特別な訓練でもした?」
「それは…」
ママを困らせるつもりなど全くなく、むしろ何の疑いもなく率直な質問をぶつけただけなのにママはとても困惑した表情をしていた。
「いつから話すのが苦手になったの?」
「ちっ‥小さい頃から…物心がついた時には思いを言葉に出来なかった。病院で診断された結果、吃音症という障がいだとわかったの。周りの人間が思っている以上に大変だったと思う」
「思う?」
「たっ‥大変だったし苦しかった」
ママ自身のことなのに何だか他人事のような言い方だった。