1週間が経った。
あれから彼には1度も会っていない。
会ってはいけない。
会いに行くなど言語道断。
彼の気持を考えたなら、そっとしてあげるのが優しさなのは十分わかっていた。
わかっていたけど、それでも会いたかった。
だから、彼の姿をひと目見たくて稽古場の近くで彼が出てくるのを見に行った。
あの日から彼を見たくて毎日ここにやって来た。
彼は稽古場から外に出てくると辺りを見回していた。
そして1時間くらい外で待ってから帰る。
彼が私を待っているのはわかってる。
彼が私に会いたいのは私も同じだからわかる。
そんな姿を何日も見続けてきて、ある決心に至った。
もっと早くそうするべきだった。
だから私はあなたに会いに行きます。
明日から彼の新しい舞台公演が始まる。
今日は最後の打ち合わせとかリハーサルが行われていると思う。
私は彼に会いに来た。
マスクをつけ、帽子をかぶり、地味な色のTシャツにベージュのスラックス姿で会いに来た。
彼が出てくる時間に外で待っていた。
時刻は17時を回っていた。
これから彼に会うかと思うと手が震え足がすくんでしまっていた。
どうしよう?
今日はやめとこうかな?
急に弱気になった。
帰ろうかな?
そんなことを考えながら出入り口を行ったり来たりしていたら扉がゆっくりと開かれた。
そして中から姿を現したのは彼だった。
私の姿を確認した彼は想像以上に驚いた顔をしていた。
「来てくれたんだね?」
私は静かに頷いた。
「元気だった?」
「は…い」
彼の前で声を出したのは、これが初めてだったかもしれない。
「どうした?」
私は彼を見つめたあと、かぶっている帽子のつばに手をかけた。
「なっ‥何を?」
私が今日来たのは、彼に全てを告白するため。
私は帽子を脱いでマスクを取り、櫻井泉水に戻った。
「えっ…きみは…」
彼は目の前で起こっている現実を直ぐには理解出来ていないようだった。
「す…き……で…す」
「櫻井さん…」
「す……き…でっ‥」
「僕も…君が好きだっ」
彼は私の言葉を遮ると私を強く抱きしめてくれた。
「コナンくんが君で本当に良かった」
コナンくん?
コナンくんて私のこと?
「櫻井さん…ずっと君と一緒にいたい。これから先もずっと一緒にいたい。祭りに行ったり、原宿に食べ歩きに行ったり、テレビやネットで話題の店に食べに行きたい」
それは、彼がコナンくんと呼んでいた私と行った場所だった。
私だってコナンくんとしてではなく、櫻井泉水として一緒に行きたい。
「色んな所に一緒に行きたい。日本全国に旅行に行きたい。海外旅行も行きたい。どこへ行くにもずっと一緒がいい。一緒に生きていきたい」
何だかプロポーズをされているようだった。
でも、私にそれを断る理由なんてない。
私だって、これから先の未来、彼と一緒にいたいし生きていきたい。
だから私は彼の腕の中で「うん」と返事をした。
数年後、私と彼は結婚した。
私は櫻井泉水から西島泉水になった。
そして私と彼には2人の宝物ができた。
あれから彼には1度も会っていない。
会ってはいけない。
会いに行くなど言語道断。
彼の気持を考えたなら、そっとしてあげるのが優しさなのは十分わかっていた。
わかっていたけど、それでも会いたかった。
だから、彼の姿をひと目見たくて稽古場の近くで彼が出てくるのを見に行った。
あの日から彼を見たくて毎日ここにやって来た。
彼は稽古場から外に出てくると辺りを見回していた。
そして1時間くらい外で待ってから帰る。
彼が私を待っているのはわかってる。
彼が私に会いたいのは私も同じだからわかる。
そんな姿を何日も見続けてきて、ある決心に至った。
もっと早くそうするべきだった。
だから私はあなたに会いに行きます。
明日から彼の新しい舞台公演が始まる。
今日は最後の打ち合わせとかリハーサルが行われていると思う。
私は彼に会いに来た。
マスクをつけ、帽子をかぶり、地味な色のTシャツにベージュのスラックス姿で会いに来た。
彼が出てくる時間に外で待っていた。
時刻は17時を回っていた。
これから彼に会うかと思うと手が震え足がすくんでしまっていた。
どうしよう?
今日はやめとこうかな?
急に弱気になった。
帰ろうかな?
そんなことを考えながら出入り口を行ったり来たりしていたら扉がゆっくりと開かれた。
そして中から姿を現したのは彼だった。
私の姿を確認した彼は想像以上に驚いた顔をしていた。
「来てくれたんだね?」
私は静かに頷いた。
「元気だった?」
「は…い」
彼の前で声を出したのは、これが初めてだったかもしれない。
「どうした?」
私は彼を見つめたあと、かぶっている帽子のつばに手をかけた。
「なっ‥何を?」
私が今日来たのは、彼に全てを告白するため。
私は帽子を脱いでマスクを取り、櫻井泉水に戻った。
「えっ…きみは…」
彼は目の前で起こっている現実を直ぐには理解出来ていないようだった。
「す…き……で…す」
「櫻井さん…」
「す……き…でっ‥」
「僕も…君が好きだっ」
彼は私の言葉を遮ると私を強く抱きしめてくれた。
「コナンくんが君で本当に良かった」
コナンくん?
コナンくんて私のこと?
「櫻井さん…ずっと君と一緒にいたい。これから先もずっと一緒にいたい。祭りに行ったり、原宿に食べ歩きに行ったり、テレビやネットで話題の店に食べに行きたい」
それは、彼がコナンくんと呼んでいた私と行った場所だった。
私だってコナンくんとしてではなく、櫻井泉水として一緒に行きたい。
「色んな所に一緒に行きたい。日本全国に旅行に行きたい。海外旅行も行きたい。どこへ行くにもずっと一緒がいい。一緒に生きていきたい」
何だかプロポーズをされているようだった。
でも、私にそれを断る理由なんてない。
私だって、これから先の未来、彼と一緒にいたいし生きていきたい。
だから私は彼の腕の中で「うん」と返事をした。
数年後、私と彼は結婚した。
私は櫻井泉水から西島泉水になった。
そして私と彼には2人の宝物ができた。