「すいません、さっき私が、歯磨きの後片付けをしていたら…」

「お母さん、こういう時に」

「いらして良かった」

「貴美子がさっき、睡眠薬を飲め無いとか言って、注射に換えてもらったんです。そして気付いたらこう。何かアレルギー?」

「小林さん。小林さーん。あっやっぱり。ドクター呼んで来て」


「塩原医師!」

「あっ例の。ちょい待ち」

小林貴美子の病室に、一人の医師が、駆け込んで来た

「あっ先生」

白衣の男性が、ぱぱっと意識状態を確認すると

「良くないねー。成人上量、目いっぱい盛ったでしょ。体重が半分なんだからね。見てね。」

「でも、処方箋で、」

「ああ成程」

「申し訳ありません」

「なるたけね、◯◯と◯◯と◯◯。気を付けてね。」

難しい医療用語を、二三まくし立てると、風のように去って行った