「おいコラ!離しやがれ!」
「マジかぁ、、早く離してよ!」
2人はとにかく暴れていた。
僕も暴れ離れようとするが、大人数人に押さえつけられても足も出ない。
歌も歌えないよう口も塞がれてしまった。

「むぅぅー、むぐぅー!」
僕の言葉にならない叫びが響き渡る。
「暴れるな!」
「手こずらせやがって、大人しくしろ!」
そのまま鎖で拘束される。
その間父様は下を向き、ぶつぶつと「すまない、すまない」と蚊の鳴くような声で繰り返しているだけだった。


そして僕と母様は拘束され、引き摺られながら翻羽と竜と離されてしまった。

「「香具夜ぁーーー!!!」」

静まりかえった離宮で2人の声が虚しく木霊するだけだった。