「さっきろくに飲み物を飲めなかったでしょ?熱中症になってもダメだし、もう開けちゃったし。飲んでくれたら嬉しいな」

「……いただきます」


ドリンクと一緒に持って来たらしい座布団の上に座る。こういう気遣いが出来る辺り、その辺の男子と違うよなぁって思っちゃう。

替えの服から始まり、乾燥。更に座布団や、飲み物まで……至れり尽くせりだ。


「他の女子にも、こういう事してるの?」

「え?」

「あ、えっと……なんでもない」


率直に聞いちゃった。他の女性との関係なんて、どうでもいいのに……っていうか、聞きたくない。

部屋に女子を呼ぶってことは、つまり、そういう事でしょ?近くにベッドがあるんだもん。〝嫌でも〟想像しちゃう。


(ん?どうして私、嫌なんだろう)


だけど、これ以上は考えたくなくて、ありがたくいただいた抹茶ジュースで口を潤す。

色んな感情でからまった脳内が、好きな抹茶の甘みで緩んでいくようだ。はぁ~、美味しい。