「や、やっぱ4月といえど暑いね〜。もうサイダー飲んじゃお……って、わぁ!?」
さっきブンブン振ったことを忘れていて、思い切り開封しちゃった。私の顔はおろか、制服も髪の毛もサイダーまみれ。幸い無糖だからベタベタはしないけど、炭酸だから、肌についた水滴がパチパチ跳ねて変な気分!
「ハンカチ、意味なくなっちゃった……」
顔やら髪の毛やら、腕や足やら。全ての箇所を拭き終える頃には、ハンカチはズッシリ重くなっていた。それでも、まだまだ濡れているんだから恥ずかしい。
「も、もう帰ろう?っていうか、ごめん。濡れなかった?」
カバンを持ち、立ち上がろうとした瞬間。腕を引っ張られて、再び座り直される。
「えっと……?」
「……」
座る私の前に、前かがみになって立っている香月雅。この暑さ故かタオルを持っていたらしく、ソレを私の頬にあてている。