「言っておくけど。私は最初から、あなたの人格を分かっていたから」

「へぇ。どんな?」

「今日一日のあなたの行動が、全てを物語ってるじゃん」


かわいい先輩までたぶらかして彼女にするなんてさ、と付け足すと。香月雅は、目をパチクリさせた。かと思えば、大きな背中を丸め、クツクツ笑い始める。

私、何か面白いこと言った?


「ふふ。仁奈、やっぱり聞いてなかった」

「何を?」

「放課後、俺が仁奈の席に行ったでしょ?」


……確かに、来た。


「今日は先輩から〝彼氏の誕プレを一緒に選んでほしい〟って頼まれてたんだよ。それを仁奈にも伝えておこうと思ったんだけど」

「……へ?」