「ん?」
それ、元カレにもされた事ある――という言葉を、すんでのところで呑み込んだ。
小学生の時、私の誕生日に彼氏からぬいぐるみを買ってもらった。だけど私がリクエストしたのとは、違う物だった。反対に、私がリクエストした物は、なぜか彼氏が持っていた。
「俺も買ったんだ」と照れくさそうに言う彼氏に、私は冷静に「持ってるぬいぐるみが反対だよ」と言ってしまい……彼氏を凍り付かせた。
思い出してみれば。確かにあのぬいぐるみは、彼氏に似ていた気がする。
そっか、あれって……そういう意味だったんだ。うわ、やっちゃったな……。
顔を青くした私を見て、香月雅が呟く。
「俺、だんだん分かって来たんだけどさ」
「うん?」
「仁奈って鈍いよね。今まで破局してきた理由、仁奈の性格も絡んでそうだなぁ」
「……」
確かに、それは私も思っていたところだけど……改めて指摘されると、ちょっと腹立つ。しかも香月雅に、なんて。
それ、元カレにもされた事ある――という言葉を、すんでのところで呑み込んだ。
小学生の時、私の誕生日に彼氏からぬいぐるみを買ってもらった。だけど私がリクエストしたのとは、違う物だった。反対に、私がリクエストした物は、なぜか彼氏が持っていた。
「俺も買ったんだ」と照れくさそうに言う彼氏に、私は冷静に「持ってるぬいぐるみが反対だよ」と言ってしまい……彼氏を凍り付かせた。
思い出してみれば。確かにあのぬいぐるみは、彼氏に似ていた気がする。
そっか、あれって……そういう意味だったんだ。うわ、やっちゃったな……。
顔を青くした私を見て、香月雅が呟く。
「俺、だんだん分かって来たんだけどさ」
「うん?」
「仁奈って鈍いよね。今まで破局してきた理由、仁奈の性格も絡んでそうだなぁ」
「……」
確かに、それは私も思っていたところだけど……改めて指摘されると、ちょっと腹立つ。しかも香月雅に、なんて。