だけど、その危険人物から、私は恋を教わろうとしている。楽しい恋の仕方を。
でもさ。それって、
「ねぇ、なんでそんなに顔が赤いの?」
「……赤くない」
「強がり見せられると、人目のつかない所に誘いたくなっちゃうんだけど。行く?」
「行くわけない!」
教わるのは「楽しい恋」……ではなく。
危険な恋、なのでは?
と、遅すぎる発見をしてしまった。
❀
「あ、そこそこ。イイ、イって!」
「……」
「あ~惜しかったね。もう少しで出てきたのに」
「……たかがユーホーキャッチャーなのに、卑猥な言葉を発するのやめてくれない?」
確信犯に違いない香月雅は「え~」とおどけて笑った。
無防備なその笑顔に、まわりの女の子は釘付け。自分の隣に彼氏がいようが、おかまいなしだ。