「美麗、俺にもやらせて」
「はーい」
安全ピンを受け取る。そして俺のカバンについた白ネコの耳に、ゆっくりさしこんだ。次に俺の耳からピアスをとって、白ネコの耳に……できた。
「見て仁奈。お揃いでピアス、つけられたね」
「!」
二匹のネコに、お揃いのピアス。ネコが揺れる度に、太陽の光を受けてピアスがキラリと反射している。
「美麗、ありがとう。助かったよ」
「どーいたしましてー。じゃあ抹茶ジュース三本お願いね~」
「み、美麗ちゃんありがとう!買ってくるね!」
「美麗、さっきは太るって言ってなかった?」
「気が変わったんでーす」
フンと俺たちを一瞥した後。美麗は一人で家に入る。俺たちはというと、まだ互いのネコを交互に見ていた。