「ふー……よし、OK。美麗の物言いはアレだけど、ありがとう。ちょっと危なかったんだ」

「もう、お兄ちゃんまで。外ならまだしも、家の中でそういうコトやめてよね?」

「しないしない。仁奈に誓ってね」


チラリと視線を送ると、仁奈は顔を赤くした。あー、本当にかわいい。

そんな俺たちのアイコンタクト見て、美麗が舌打ちする。顔に「さっさと解散しろ」って書いてある。


「で?家に入るわけでもなく、路上にたむろして何してたの?」

「じ、実は……」

(話しちゃうんだ。かわいい)


素直すぎる仁奈に、思わずほぅとため息をもらしてしまう。

でも、さっき美麗が割り込んでくれて本当に良かった。そりゃキスしかしないつもりだったよ?でもさ、仁奈って流されやすい子だから。


『もういいよ、雅。きて……?』


なんて言いかねない。そして、そう言われた時。俺が拒否しきれる自信もない。(※セリフは雅くんの妄想です)

だから、さっき。
あの勢いに乗らなくて、本当に良かった。