好きと言った。
気持ちを伝えた。
だけど返ってきたのは、業務連絡だった。
「そう」だけの、見事なスルー。
「はは、さすがクズ男。やっぱレベルが違う……」
着ていた服を畳んで、ベッドに置いた。だけど、きちんと畳んだハズなのに、服はグチャグチャで、ぐにゃぐにゃ。
でも触ってみると、やっぱりキレイに畳んであって……あ、そうか。ぐにゃぐにゃなのは、私の視界がぼやけているからだ。
(私、泣いてるんだ……)
香月雅に拒絶されて、悲しいんだ。辛いんだ。
あとは……
『仁奈~』
いつもの笑顔で、いつもの声のトーンで、「付き合う」って言ってくれるかと思った。だけど違った。香月雅って、来るもの拒まずじゃないんだ。
「香月雅のバカ……」
香月雅はうそつきだ。素直になれって言われたから素直に気持ちを伝えたのに、反対に距離が出来てしまった。
話が違う。
むかついちゃう。
今すぐにでも問いただしたい。
でも、やっぱり。
「それ以上に、悲しい……っ」