「あはは、急に言われると反応出来ないか。じゃあ、また、たまに電話するよ。ゆっくり考えておいて。じゃあ、そろそろ帰ろうか。玲乃の家の近くまで送るよ」

亮弥さんはそれだけ言うと、私の最寄り駅ぐらいまで一緒について来てくれた。


「またね、玲乃」


亮弥さんの「またね」が嫌じゃないのは、私の気持ちの変化だろうか。

その日の月は、何故かいつもより少しだけ綺麗に見えた。