「玲乃の連絡先は教えてくれないの?」

「ダメに決まってます……」

「あはは、彼女なのに?」

「だから、まずそれを認めてません!」

「じゃあ、明日の夜10時にその番号に電話して。非通知でいいから」

「っ!しないに決まってるじゃないですか!」

「約束。電話してくれないなら、毎日この公園で玲乃を待ってるよ」

「だから無理です……!」

私が抗議している間に、亮弥さんは自分の荷物を片付け立ち上がる。


「じゃあ、待ってるから」


そう言って、亮弥さんは行ってしまう。

亮弥さんに渡されたメモ用紙に視線を落とすと……


「いつでも連絡待ってる」


と、電話番号の下に書いてある。


「一体、どうしたらいいの……?」


その日の頭痛は、私の生活を大きく変えることになる。

そして、これから溺愛という名の執着が待っていることなど私は想像もつかなかった。