「ん、これ」
渡されたリボンのついた小さな箱
受け取って、開けてみると…
「イヤリング…?」
「そう。」
「可愛いっ!」
ゴールドで、控えめだけどルーフになっていて周りにパールがついている結構大人っぽいデザイン
「バレンタインのお返し」
「ありがとうっ。」
「それ俺からの気持ちだから」
「凪くんからの…気持ち?」
「そう、受け取って」
嬉しくて、私はあの日からこのイヤリングを外したことは一度もなかった。
私にとって凪くんは特別で、凪くんにとってもそうだと思い込んでいた。
凪くんが芸能界に入ることが決まったとき、私は凪くんに告白をするか迷っていた。
遠い存在になってしまう前に、繋ぎ止めたかったんだ。
「凪くんは好きな人いるの?」
告白する前に、なんとなく確認をしたくて、聞いた質問
「いる、けど」
揺れる目を見逃さなかった。