「ええ、かっこいい…!凪くん凄いっ…!」
溢れ出しそうなほど潤んだ瞳で、俺を捉えてとびきりの笑顔を向ける。
その笑顔に簡単にポーカーフェイスは崩れる。
可愛すぎる。
桃色に染まる頬、艶のいいの唇、笑うと浮かび上がる涙袋
…ずるい。
「俺、芸能界に入った方がいいと思うか?」
「もちろん!お姉ちゃんみたいに雑誌に載ったり、テレビに出るんでしょ?応援する!」
純真無垢なその言葉
「そっか。」
決めた。しずくが応援してくれているなら、俺はその世界に入ろう。
コンプレックスだったこのぶっきらぼうで、人見知りな性格も、治すきっかけになる。
アルバイト感覚で、いい。そう思っていた。
ただ、俺の考えは甘いと一瞬で思い知らされる…ーーー