「男兄弟ってそんなもんなのかねー…」
まあ姉妹みたいに、相談したり、話したりしないよな。
付き合ってない、って聞いて心の底から安心してしまっている自分に嫌気がさした。
「なんでしずくが風季と付き合わないか分かる?」
試すような視線に胸がざわつく
「…わかんねーよ、そんなの」
あんな仲良いんだから、付き合うのが自然の流れなのに。
「相変わらずバカね」
「んだよそれ」
「はー、焦ったい」
深いため息をつくつらら。『まあしょうがないか…』なんて言葉をこぼした。
全然なんの話がわかんないんだけど。
「凪、行こうか」
マネージャーさんが事務所の目の前に車をつけて、駆け降りて来る。
「じゃあな」
つららに軽く手を振ると、
「うん。…あ、しずく来た」