「ドラマの台本忘れちゃって。しずくが届けに来てくれるから待ってるの」
その名前にどくんと胸が反応する
「…そ、」
「しずくとも会ってないみたいね。」
「この前、半年ぶりに会った」
「え、どこで?」
「風季の撮影について来ててばったり。…あいつらラブラブみたいだな。」
俺は半年ぶりに会った弟の彼女に、バカみたいにドキドキしてた。
しずくはずっと悲しそうに俺のことを見ていたけど、気づかないふりをした。
「いや、あの2人付き合ってないよ」
「は?」
今なんて?
「…風季から何も聞いてないの?」
「聞いてない。」
そもそも風季に会うのだってこの間の撮影が半年ぶりだった。
2人から逃げるように俺が引っ越したから、話す暇もなかった。
再会した時は撮影現場でもあるし、人もたくさんいるし、なるべく仲の良い兄弟を演じたけど