あーちゃんside



真冬のこのさっむい夜に、一本入った電話。



夜の住宅街を、柄にもなく走った。



マフラーに顔を埋めて、白い息を出して向かった先は、しずくと霧沢が住むマンションの近くにある公園



青白く光る街灯の下、ベンチに腰掛けて魂が抜けてる様子の人物が1人




「霧沢」




「…え、なんでいるわけ」




ビクッと肩を震わせて、あげた顔




あー、目真っ赤じゃん。バカだな。



「しずくから連絡があった。慰めてあげて欲しいって」



『風季なら絶対あの公園にいると思うから』って



しずくなりの優しさだと思うけどさ、私の気持ちも知らないでちょっと残酷だよ。




「…なんだよ、それ」