「…私、凪くんが好きっ。ずっと風季の優しさに甘えててごめんなさい。」




凪くんの存在を風季で埋めようとしていた。



風季だって大切でかけがえのない幼馴染であることには変わりないのに。


「いや、甘えてたのは俺だろ。しずくの気持ちずっと前から気づいてたのに、知らないふりしてしずくを苦しめてた」



泣き出しそうだけど、霧が晴れたような表情の風季に、やっぱり苦しめていたのは私だと確信する。



でもそんなの風季は絶対に認めてくれないから。





「ううん!嬉しかったよ。ありがとう」






溢れ出したのは感謝の涙だった。