「あ、うん。合コンがあるから、可愛い服貸してほしくって…」
「は?合コン?」
一番に反応したのは凪くんだった。
深く眉間に皺を寄せて、睨んできた凪くん。
…久しぶりにあった目線が、こんな不機嫌な顔だなんて。
「あ、あーちゃんに…誘われて」
「いいねぇ!うーん、しずくには何が似合うかなあ」
お姉ちゃんはルンルンでクローゼットを覗く。
やっぱり私のクローゼットとは彩りが違う。
逸らしても、感じる凪くんの視線
すっごい怒ってるオーラがするんだけど…
「な、何…?」
「やめれば」
「え?」
「合コンなんてやめとけって言ってんの」
地を這うような低い声に、胸が痛む。
その鋭い目が離してくれない。