「、く、…しずく!」




「あ、ごめん!なんだっけ?」




駅のホーム隣に並ぶ風季の声にハッとする。



…凪くんのことばっかり考えちゃう。



撮影は無事終了して、凪くんは先に別の現場に行って、私と風季は一般人らしく公共交通機関を使って帰宅中



凪くんとは、もちろん一言も話せないまま。



「どうだった?撮影」



「すごかったよ!一般人とは思えないくらいオーラがあった」



凪くんの存在で霞みがちだけど、風季だってすごいオーラあるよね…


こんな高校生いるのかって思うくらい洗練されてる



「さんきゅ。…でも、やっぱり兄貴のことが気になる?」



「へ?な、なんで?」



誤魔化すのが本当に下手…


明らかに吃っちゃった。



「ずっと兄貴を見てたから。」



伏せ目がちに弱く笑う風季



…そんな顔させたいわけじゃないのに