「そうだけど気持ち無くなるの?」
「…無くそうとしてるんだよ。もう半年も会ってないし」
私だってこの半年間何も考えてなかったわけじゃない。
凪くんのことを忘れるようにして最近は思い出さない日もあるし、風季の気持ちに応えたいと思って過ごしてきた。
「そうそう簡単じゃないか…」
「うん…」
最後に見せた、あの涙の意味は今も分からないまま。
もしかして私の見間違えだったのかもしれないと思えて来た。
「あー、また女子に絡まれてる」
窓からグラウンドを見つめるあーちゃんの視線の先を辿ると、そこには学年問わず女子たちに囲まれている風季の姿
…うまくあしらってるなぁ。
「本当だ」
「芸能人みたいだね。」
「今度も雑誌の撮影するんだってさ」
そういえばその撮影について行く約束もしてるんだった。