「刹那ちゃんって、案外初心?かわいーね」

『……間宮の馬鹿、うるさい。』

やめてよ、馬鹿。
気安く可愛いなんて言わないで。
これ以上私をドキドキさせてどうするの。

きっとこれからもドキドキさせられて、きっとこの感情も無視できなくなって、絆されていくんだろう。
もう私は間宮から逃げられる気がしない。
いや、離れられる気がしない。
ズルい男だ間宮は。

この関係のままでいたいから、私は複雑で気持ち悪い感情に蓋をした。

こんなドキドキも、顔の赤さも、この寒さのせいだ、きっと。