「こーゆーのやっぱ恋人っぽいね。」
『はいはい、巻いてあげてる優しい刹那ちゃんに感謝しなよ。』
「刹那ちゃんさいこーありがとー」

軽く笑いながら受け流す。
『恋人っぽい』なんて思わせ振り、好きでもない女にするのはよくないでしょ…。
だけど内心ドキッとしてしまっただなんて、絶対に誰にも言えない。
マフラーを巻き終わり、再び歩き出す。

『あ……。』

空から一粒、白い雪が降ってくる。
私は思わず手を出して、雪を受け止める。

「雪降ってきたじゃん。今年初っしょ?やばー」

と間宮も手を差し出している。
ここの地域では雪は珍しいから、もう子供とも呼べない年にもなってきているけれど、少しテンションが上がってしまう。