夕方家に帰った恋は、手を洗ってから自室に向かった。

 宗介の家に行く前に置きっぱなしにしていた学校の手提げを勉強机に置いて、恋はしばらく今日の事を考えていた。

 暇つぶしに引き出しを開けたり閉めたりしていると、恋はふいに、美化係のファイルを手提げに入れっぱなしだった事に気がついた。


 手提げを開けると、筆箱といつも使う下敷きは入っていたが、ファイルは入っていなかった。







 ─────置いてきたのかな。








 恋は首を傾げて、今度はリュックを探した。