家に帰って、恋は鞄を逆さにして美化係のファイルを探していた。 薄いファイルはどこをどう探してもなかった。 『無責任、紙一枚管理できないなんて。あれは必要品で大事な書類だったのに。』 『明日もあの書類使うのに、手元にない。新しく作るのはかなり大変だ。』 『あなたは美化係失格です。新田さん、あなたはもうミーティングにも、学校にも来なくてよろしい。』 恋は先生の言葉を想像してごくりと唾を飲んだ。