朝起きたら隣でマサは眠っていたまるで可愛い赤ちゃんみたいに
昨日の夜は何していたのどこに行ってたの
『んんんふぁぁ』
「おはよマサ」
『まいちゃんあいたかったあ』
「マサ昨日の」『ごめん!埋め合わせさせて!』
少年のように謝ってきたマサには叶う訳もなくてそのまま許してしまう私もどうなのか
「マサ」
『ん?』
「昨日のさ」
『その話はさ』「そろそろ聞かしてほしい」
『…』
「マサの話っ」
『あのね』
「うん」
『全部は話せないけどここから離れなきゃいけねぇ』
「どういうこと?」
『引っ越さなきゃなんねぇの遠い場所にここにはいれれねぇ』
「マサなにかやったの?」
『俺の事嫌いにならない?』
「なるわけないよ」
『俺まともな仕事してないのもう分かってるよね?』
「うん」
『舞俺さ人殺したんだよね』
『それでその殺したやつちょっと厄介なやつでさ
ケンがもう身分もわかんねぇように戸籍から消したんだけどそいつが俺の組と対立してたやつの幹部でよ』
『殺せって指示したやつ誰だってなってそれ俺でよ』
『舞に迷惑かけたくないから』「いやだ」
『別れよ俺たち』
『舞にはもっといい人生送ってほしい』
私には訳が分からないなぜそんなことをしないといけなくなったのかなぜその道の仕事を選んでしまったのか。泣き崩れてしまった私を抱き締めてくれる
「いらないマサがいない人生なんてそんなのっ」
『やめてくれ俺にだって考えが』
ピンポーン
「なに?」
『舞はここにいて見てくるから』
「出なくていいよ怖いよ」
『大丈夫だよケンかもしれねぇじゃんか』
『ここにいてくれる?』
「リビングでもいい?」
『ん』
扉を開ける
『はい』
【よお】
『やっさん…』
【これメロン】
『あざっす』
【お前やらかしすぎだぞ】
【女は?】
『リビングに』
【お前さんがこいつの彼女か】
「は、はじめまして」
『あ、あの』
『この子だけには何もしないでください』
【お前懲りねぇな】
【嬢ちゃんの為にはなんねぇけどなお前も分かってんだろ】
淡々と話すこの男には右腕が無くて、ほんとにやばい感じ組長みたいなマサの緊張が伝わる
【そんで明日から北海道な】
『わかりました』
【マサのこと宜しくなこいつ良い奴だから】
「はい!」
【じゃあよろしく】
ガチャ
『はァァ緊張した!!まいぃぃぃ』
「メロン食べよっか」
私は何故か冷静だったいや冷静にしていた
なぜか日に日に嘘をつくのは上手くなっていく
本当は未来のある人と未来のある生活がしたいけどそんなこと叶うわけもないから私は私に嘘をつくことで正当化していた
『やっさんにバレなくてよかったぁ』
「なにが?」
『やっさんが舞を攫って来いって言ったんだ』
「え」
やばいじゃん何この生活
『でも身分分かっちゃったらほんとどうなるかわかんねぇ』
「キャバ嬢にでもならされる?笑」
『どこの映画だよ笑』
『売り飛ばされるかもな』
「やめてよ」
『お前は高ぇから売れねぇよこんな可愛い顔してさ』
マサが私の頬に触れる
「マサっ」
『落ち着いたらさ』
「うん」
『俺と結婚してくんね?』
え?なに?け、結婚?!未来なんて見えないのに。でも今はそんな甘い考えをしないとお互いやって行けなかったんだと思う。一寸先は闇だった
「ほんと?」
マサに抱きしめられる
『俺のそばにいて欲しい』
「ずっとマサがいいよ私も」
『多分明日出たら当分帰ってこねぇかも』
「待ってるよ」
『ここはあぶねぇし北海道も連れて行けねぇからオレが帰ってくるまでさ』
「帰りたくない」
実家にだけは戻りたくなかった。
親にこき使われる生活はもう懲り懲りだ
こんなに幸せなのに大好きな人を待つ場所には最悪
『帰さねぇよだからお前が快適に住めるように家買ったから』
「え??え?元から北海道行くの決まってたん?」
『今初めて言われたよ』
『いやそれがもともとこの家そろそろ引っ越してぇなと思っててさ狭すぎんじゃん?』
「広すぎるわなにゆうてんねん」
『ま、それが半分でもう1つの理由が敵にここの居場所かバレつつあんだよ』
「え、やばいやん」
『なんか最近付けられてんなと思ってよ』
「私のせい?」
『かくまってんのバレたんかな』
『まぁいいや今は忘れて食べに行こーぜ』
「叙々苑な」
『ひえええ舞こええ』
『まぁ俺がわりーから行こうか』
「ほんまかい」
『おうよ』
「いやいいよ」
『私も払えるとこ行こうよ』
『もうさ』
まさが真剣な面持ちで話しかけてくる
『俺がお金渡すから働かなくていいよ』
「何言ってんの?」
『え、あごめんそれはそれで困るから忘れて?笑笑』
『でも最近働きすぎだよお〜』
無理して笑ってるように見えた
マサも私も精神的にギリギリなんだろう
でも私はバイトをしておかないと現実から逃げないとやっていけない気がした
今日が終わる日に私達は交わった
寂しさを隠すように
お互いの首には小さな花を咲かせて。
朝起きたら既にマサはいなかった
あったのはダンボールと置き手紙だけ
私たちの家は隣町のまた高層マンションになるらしい
マサが帰ってくるのを信じて気長に毎日待っていよう.