「"毎日毎日"不器用でごめんなさい。
 どうしても君に会いたくなってネ。」



「……」



「……どうして喋らない?
 あっ、もしかしてこれ?怖かった??」




私の血が付着していることを気にも留めず、男はナイフをしまう。


首に押し付けられた違和感が失くなり、急に体の力が抜けても前に倒れないのは、男が私の腕を掴んだままだからだ。



殺される。



危険だって、体を巡る血液がそう言っている。


しかし逃げる隙が見つからない。




「なに考えてんの。
 もしかして、逃げようとしてる?」


「……っ」


「やだやだ顔にでちゃって。
 逃げてもいいよ、追いかけるから」


「……」


「でも捕まえたら、殺しちゃうかも。 
 そしたら……ごめんなさいするネ」