「え、ちょ、柚菜(ゆな)

なにやってんの?」


「は、な、っ、」


「どうしたの?

っ!…ねぇ、柚菜ってΩ?」



葉凪にもばれた。


もう無理だ。


どうしようもない。


「ここにいたら部活終わりの男子達に会っちゃう!

行くよ!」



葉凪は私を無理やり立ち上がらせて昇降口へ引っ張った。


されるがままに引っ張られ続け、気がついたら葉凪の家の前についていた。


どうやって靴を脱いだかすら覚えていない。


葉凪の部屋に通されて今は葉凪と向かい合っている。


怖い。


葉凪は何かするような子じゃないとわかるけど、Ωだとばれただけで、自分を守っていたものが消え去ってしまったような、そんな気持ちになった。