かっこいい。


黒いカットソーに、ダボッとしたダメージジーンズ。


青みがかった薄手のジャケットを羽織っている。


首から垂れる、シルバーのネックレスがチャラそうな雰囲気を演出している。


私、こんなにかっこいい人と並んで歩くの…?


もっと早起きすればよかった…


……しょうがないじゃん!


目覚ましかけ忘れたんだから!



「おはよ」


「お、おはようございます!」


「ふっ、…かわいい。

ほら、おいで」



か、かわいい?


ん?あ、そこに咲いてるお花のことか!


あの花かわいいよね。


私もそう思う。



「なぁにキョロキョロしてんの。

かわいいのは柚菜だけだよ。

ほら、行くよ?」


へっ?


わ、私?


か、かわいい?


やばい、顔真っ赤かも。



「り、律希、先輩もかっこいい、です」


「っ、……うん。

ありがとう」