先輩たちがこちらをみてなにか話している。


まさか、Ωだってことを勘づかれた…?



「あっ、あの!朝倉く…朝倉先輩は何組ですか?」



ついつい朝倉くんって呼びそうになっちゃった。



「朝倉ぁ?律希(りつき)ならA組だけど」



朝倉先輩の名前って律希っていうんだな…。



「なになに、律希の彼女だったりすんの?」


「彼女なんて、全然…

この前、助けて貰ったので…」



派手そうな男子の先輩に囲まれる。


悪い人たちではなさそうだけど、ちょっと怖いな。


それに、早く朝倉…先輩を探しに行かないと休み時間が終わっちゃう。


どうしようかな…



「お前ら、俺の柚菜になにやってんの?」


「「えっ?」」



ほぼ初対面の先輩たちとハモった。


朝倉先輩だ…


相変わらずきれいな顔してるな…。


ドキリ、と胸が鳴った。


俺の、柚菜…?


私の名前、知ってるの?