それはただの、αとΩという関係を越えているような、運命的ななにかだと思う。


多分私の心の、奥深い所では、それがなにかわかってしまっている。


でも、ズルイ私はそれに気がつかないふりをする。



『まぁ、いいや。

柚菜が学校来れないのって1週間だっけ?』


『そうだよ』


『じゃあ、1週間後、待ってるね!』


『うん!ありがとう!』



普段はもっとずっと長く話すけど、今日は私の体調を心配してくれたのか、早く終わった。



「抑制剤、ここに置いておくわね」


「うん。ありがとう」


「お母さんは、柚菜が朝倉くんと関わるのは止めないわ。

でも、立場が弱いのは柚菜だってことは忘ちゃだめ。

遊ばれるような軽い女にはならないで」



あぁ、お母さんはあの人、

ーいや、朝倉くんがαだということに気づいてる。



「うん。

わかってる。

それにもう、多分関わることはないよ」