眩しい光を感じて目をあける。


あれ、なんか前もこんなことがあった気がするな。


ひとつ違うのは、この前は部屋に帰ってくるまでの記憶があった、ってこと。


でも今回は、どうやってベッドに入ったかどころか、家に帰ってきた記憶すらない。


空き教室でαの人にあって、それで……

キス、した。


正直、今回のキスは私が拒めば逃げられた。


でも私はあの人のキスを受け入れた。


キス…

思いだしただけで、キュッと体の真ん中が狭まったのがわかった。


はぁ、と熱い息を吐き出す。


これから過ごす1週間が憂鬱でたまらない。


だるくて、少し火照った体と、1週間過ごすのだ。



「あら、柚菜、起きたのね」



既視感。


お母さん、セリフまでおんなじじゃん。



「うん。起きた。

…ねぇ、私、どうやって家まで帰ってきた?

なんも覚えてないんだよね」